『迷宮学事件』
『迷宮学事件』秋月涼介/講談社ノベルス/講談社
ISBN:406182242X
密室本ですね。というか密室本という企画がなければ秋月ってもう出てこないんじゃという危惧があった気がします。というか、あの最新刊も出たときびびりました。
んで、今回の密室本なんですが、これがデビュー作だったら世間の目も多少は変わっていただろうなと思います。
なんだろうな、前回『月長石の魔犬』について書いたときにも書いたけど、ムダなキャラ設定どうにかしたほうがいいと思う。なんというか、ひどくエロゲー的なキャラクターの作り方をするよね、この著者って。
前回よりも、キャラ設定がストーリーとの関係を持たせようとした形跡が見られるのは確かです。でも強引だよなぁ。雪恵というキャラクターの陽光に弱いっていう設定は全く持って排除してしかるべき。いらね。だからどうした、のひとことで切り捨てられる。
だって、あんまり屋外が舞台になってないし。迷宮の中にいるし。
解決するのは七年前に起こった迷宮入り事件に、4人が首を突っ込みに行くって流れだから、そんな伏線あっても事件に関与させられないし。あまつさえその雪恵の幼少期のエピソードとか読まされたときはどうしようかと。
でも前回よりはマシなんです。ただそれだけで最後まで読めます。なんか蘊蓄多いです。その蘊蓄を読むのは結構楽しかった。もう小説として読んでないですが、そんなところです。
ああ、やけに日本語のルビに横文字つけるの好きですよね、秋月って。そんなに賢さをひけらかしたいですか。それとも雰囲気作りなんですか。どっちでもどうでもいいですね。