『浦賀和宏殺人事件』

浦賀和宏殺人事件』浦賀和宏講談社ノベルス講談社
  ISBN:4061822470
 
 あー。楽しかった。楽しかったけどなぁ。
 こういうバランスが重要な「ぎりぎり」のところを攻めようとした作品って楽しいんです。成功していようと失敗していようと、取り組んでいるのを見てソワソワしてしまいます。
 これ、そういう意味ではソワソワしなかったんだけど。言うことまるっきり違いますが。ソワソワするっていうか、ソワした感じ。ソワソワと二語続けてではないけど。
 だって、そこまで「ぎりぎり」じゃなくて、形を整えている上で切り掛かっている印象だったので、結果を知っているスポーツを見るみたいな感じの躍動感だったんです。
 ある意味、作家として正しい姿勢で小説を書いていると思いますが。小説と呼べないような作品になってしまわないように、コントロールがついているので。
 だから、楽しかったけどなぁ。どうせならなぁ。コントロールされてないものも見てみたいなぁ。
 
 すごい抽象的な物言いしかしてないな。まぁ何が「ぎりぎり」かってアマゾンのリンク先であらすじとかレビューとか見ればいいじゃない。